アクション
用心棒 †
名セリフ †
- 「血の匂いをかいで腹の減った野良犬が集まってきやがる! よってたかって血を流して集めた絹をその血で染めてよ! それで絹市を立てたらええだ!」
- 「酒かね?」
「ん?うん、めしだ」
「ここんところ商売上がったりでね。何もねえぜ。めしも冷てえが」
「かまわん」
「実はな、おやじ」
「分かってるよ。これがねえんだろう」
「フッ。しかしこの町で少し暴れて借りは返す」
「やめてくれ! 斬った張ったはもうたくさんだ! めしぐらいただで食わせるから、とっととこの町から出ていってくれ!」
「すまん」
「ちぇっ!また始めやかった。 隣の桶屋だよ。近頃この町で景気がいいのはこいつばっかりだ。棺桶が毎日飛ぶように売れるのさ。ばくち打ちなんて、いねえに越したこたあねえが、まあ一つ宿場に親分一人ってんなら我慢もできるが、一つ宿場に親分二人とくると、もういけねえや。儲けんのは棺桶屋だけだ。うるせえぞ、ちくしょう! 大体、血も涙もねえごうつくばりのばくち打ちが、人並みに親心出したりするからいけねえんだ。事の起こりは、馬目の清兵衛の跡目相続よ。実の子かわいさに縄張りをそっくりそいつに譲ろうとした。こいつがいけねえや。一の子分が承知するわけがねえ。またこの一の子分の新田の丑寅って野郎がおめえ」
「丑寅ってのは妙な名前だな」
「丑年の大晦日に産気づいたお袋の腹から、寅年になって飛び出しやがった野郎さ。正月生まれにしちゃ、全くめでたくねえ疫病神でね。こいつが清兵衛に杯を叩っ返して新田村から乗り込んできた。清兵衛一家は真っ二つよ。決着つけるものはドスしかねえや。そこで清兵衛も丑寅も目の色変えて、無宿者、凶状持ちをかき集める。けっ、この宿場にゃ、絹市の代わりに人殺しの市が立ってるんだい」
- 「桶屋」
「へいっ」
「景気はどうだい」
「へッへッへッへッ」
「ゆうべ、俺のいねえ間に棺桶はいくつ入売れた?」
「へえ、お宅に二つ」
「なにい!」
「あちらには四つ、オッホッホッホ」
「にいっ、そんなら悪くねえな、ンフフ、ンフフーフ」
「あいつは丑寅の弟で、亥之吉って奴だ。名前の通り猪だ。少し足りねえが、暴れ出したら手がつけられねえ。また人殺しを三人仕入れてきやがった」
- 「さあ、値を付けてもらおうか。この出入りが片付くまでいくらだ」
「へい、三両ということで、ひとつ」
「丑寅に当たってみる。あいつならもう少し出しそうだ」
「では、四両! 五両! では、六両!」
「けたが違う」
「では、十両! 十両でひとつ! では、二十両! 二十五両! 三十両! ええーい、五十両!」
「よし。前金二十五両、飲み食いそっち持ちだぞ」
- 「ところで、先生のお名前は?」
「うん?俺か。 俺の名前は桑畑三十郎。もうそろそろ四十郎だがな」
「ご冗談を」
「まあ、桑畑三十郎でよかろう。どうせ、どこの馬の骨か分からん奴だ」
ストーリー †
- とある荒れた宿場町に一人の浪人者がやってきた。その男は桑畑三十郎と名乗り、対立する宿場町の組織に用心棒として売り込み始めた。
見所 †
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- 桑畑三十郎(男):三船敏郎
- 居酒屋の権爺(男):東野英治郎
- 馬目の清兵衛(男):河津清三郎
- 新田の卯之助(男):仲代達矢
- 新田の丑寅(男):山茶花究
- 新田の亥之吉(男):加東大介
- 本間先生(男):藤田進
- 酒屋徳右衛門(男):志村喬
- 監督:黒澤明
- 公開年:1961年
- 製作国:日本映画
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