サスペンス
十二人の怒れる男 †
名セリフ †
- 「お好きな方法でやっていきたい。ルールは作らない。まず議論してそれから投票するのも一案だと思うし、すぐに投票するのもいい」
「まず投票が慣例だろう」
「投票しよう! それで帰れるかもしれん」
「よろしい、でも断っておくが、これも第1級殺人だ。有罪と評決すると、必然的に被告人は電気いすへ送られる」
- 「その・・・ 言葉にするのは難しいんですが、でも有罪と思います。明らかです。その逆は立証できなかったのですから」
- 「おれには何の個人的感情もない。ただ事実を話したいんだ」
- 「少年の申し立てはいい加減だ。犯行時間には映画見物だと?題名も俳優も覚えていない。劇場で見た者もいない」
- 「パスしていい?」
- 「よく分からないけど有罪と思ったのは、かなり早い時点だ。まず動機を探すことが重要だと思った。動機なしじゃ話にならん。とにかく少年のアパートの同居人たちの証言が強力だったね。こう言ったろ"親子の間に言い争いがあったのは、あの夜の7時ころだった"と」
- 「みんな話しちまったよ。いくら話しても同じだ。やつは札付きさ。前歴を見ろ。まず子供のころ、教師に石を投げた。15歳で車を盗み感化院だ。強盗で逮捕。ナイフのケンカ。ナイフの扱いは慣れてるってよ。立派な少年さ」
- 「別に派手な意見はない。皆さんと同じだ。証言に従えば有罪かもしれない。私は6日間、法廷で証言に耳を傾けた。確信に満ちた証言ばかりで妙な気がした。明白だろうか?私には多くの疑問がわいてきた。弁護人が徹底して反対尋問を行っていない。細部を見逃している」
「細部を?ほじくり返すとやぶ蛇になるからだ」
「だが弁護士が無能だということもあり得る」
「義理の兄がそうだ」
「あの子の立場に立てば、弁護士を代えたい。命の懸かった裁判なら、弁護士に検察の証人を打破してもらいたい。殺人の目撃者と称する証人は1人だけじゃないですか。後は物音を聞いた証人と多くの状況証拠だ。もし検察側のこの2人の証人が間違っていたとしたら?」
「どういう意味だ?間違うって?」
「あり得るよ」
「証人は宣誓している」
「人間なら間違いはあり得る」
「いえ、ないね」
「ほんとに?」
「科学みたいに厳密じゃない」
「その通り」
- 「この人が1人で反対された。無罪とは言わず確信がないと言った。勇気ある発言だ。そしてだれかの支持にかけた。だから応じた。多分有罪だろうがもっと話を聞きたい」
- 「今まで静かにおびえながら生きてきた老人だ。人に認められることもなく、新聞に名前も出ない。誰からも顧みられない。75年間、誰からも意見を求められない。皆さん、こんな悲しいことはない。生涯に一度は注目されたい。自分の意見を人が引用したらどんなにうれしいか。だから目立ちたくて・・・」
ストーリー †
父親殺しの疑いのある17歳の少年に対する裁判が行われている。12人の陪審員の票によって有罪(死刑)か無罪かが決定される。状況証拠から、ほとんどの陪審員は有罪とみなしている。ただ、一人の陪審員が疑問を持ち、無罪を主張する。大激論が展開される。
見所 †
人間の思い込みの弱さ
論理的激論の展開
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- 1番陪審員(男):マーティン・バルサム
- 2番陪審員(男):ジョン・フィードラー
- 3番陪審員(男):リー・J・コッブ
- 4番陪審員(男):E・G・マーシャル
- 5番陪審員(男):ジャック・クラグマン
- 6番陪審員(男):エドワード・ビンス
- 7番陪審員(男):ジャック・ウォーデン
- 8番陪審員→最も活躍(男):ヘンリー・フォンダ
- 9番陪審員(男):ジョセフ・スウィーニー
- 10番陪審員(男):エド・ベグリー
- 11番陪審員(男):ジョージ・ヴォスコベック
- 12番陪審員(男):ロバート・ウェッバー
- 監督:シドニー・ルメット
- 公開年:1957年
- 製作国:アメリカ映画
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