ドラマ
祇園囃子 †
ジャンル:ドラマ †
名セリフ †
- 「あんたみたいなだらしのない人、大嫌いや。三月もお支払いためといて、まだ未練たらしゅうのこのこ芸者の館に遊びに来て。色街はねえ、きれいにお金の使うときだけ来るとこどっせ」
「僕は君と離婚するつもりだ。芸者だと思ってつきあってはしないよ」
「わたしは結婚する気お持ちなんかありゃしません」
「じゃ、あの約束、う、嘘か!」
「芸者の嘘は嘘やあらへんの。お商売の駆け引きや。お客さんの気持ちに相槌打って、面白う遊ばせてあげてんのが解りゃしませんのか」
「ちきしょう!」
- 「うち、もうお姉さんにすがるより、しようがないんです。つらいからって中途でやめてとうなっても行く所がありません。きっと我慢します」
「そな、だあれも面倒見てくれる人がないのやな」
「うちがこう決心していたら、公証や書付はいらんのと違いますか。お願いします。うち、舞妓さんになりたいんです。ならしてくださいな。一生懸命おけいこして、きっとええ絵葉書で売れる舞妓さんになってみせます」
「口で言うのはやさしいが辛いえ。辛抱できるか?」
「辛抱します」
「お母さんに負けないような一流の芸者になるには大変な苦労え」
「どんな苦労も辛抱します」
「きっとやな」
「ええ」
「つけはん。あたしこの人、仕込みます」
「さよか、おおきに」
- 「難しい世の中やから、あんたみたいな気一本では通らへんのや。そやけどわたしは、あんたの気持ちはできるだけ通させてやりたいと思うてる。わたしは親も兄弟もない寂しい女やけど、人間の情けだけは持ってるつもりや」
- 「人間なんて、いくらお金や地位があっても一人きりやったら、みんな心細うて寂しいもんや。まして、うちらの境遇を考えとうみ。困ってるときには、お互いが助けおうて生きていくよりほかしょうがないやないか。な、栄子。わたしはあんたのことを他人とは思うてへんのえ。ほんまに親身に考えてんのや。わかったな」
ストーリー †
- 舞台は京都の祇園。売れっ子芸者である美代春の元に、零落した家の娘の栄子が舞妓の志願にやってきた。栄子の一途な思いに根負けした美代春は舞妓として育てる事を決意するが、それには多くのお金が必要であった。
見所 †
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- 美代春(女):木暮実千代
- 栄子(女):若尾文子
- お君(女):浪花千栄子
- 楠田(男):河津清三郎
- 監督:溝口健二
- 公開年:1953年
- 製作国:日本映画
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