ドラマ
善き人のためのソナタ †
ジャンル:ドラマ †
名セリフ †
- 「我々が気まぐれで逮捕すると思うかね?」
「いいえ」
「君は国家の人道的な秩序を乱して逮捕されたんだよ。思い出したえ、囚人227号」
「近所の君の友人であるピルマセンスが9月28日に西に逃亡した。逃亡の協力者がいるはずだ」
「何も知りません。彼が西に行くとは夢にも思いませんでした」
「9月28日の出来事を詳しく話したまえ」
「調書の通りです」
「話せ」
「子供達とトレプトウ公園にいたら、友人のキルヒナーに会いました。私は彼の家に行って、遅くまで音楽を聴いていました。彼に電話して確かめてください。番号を言います」
- 「国家の敵はしぶといものです。覚えておきなさい。尋問は忍耐強く40時間は続ける事。早送りします」
- 「時間が経ってくると、無実の囚人はいらだってきます。不当な扱いに対して大声で怒りだします。その一方で、有罪の囚人は泣き出します。尋問される理由を知っているからです。白か黒かを見分けるいい方法は、休まずに尋問する事です」
- 「この供述で気付いた事はありますか?」
「最初と同じです」
「そう、一字一句まったく同じです。真実を話す者は言葉を変えて表現するものです。しかし嘘付きは、圧力をかけられると用意した言葉にすがりつきます。この227号は明らかに嘘をついています。さらに圧力をかけます」
「協力者の名前を言わないと奥さんを逮捕するぞ。二人の子供は孤児院送りになる。逃亡の協力者は誰だ?」
「ウウッ・・・ グレスケ・・・」
「はっきり言え」
「ヴェルナー・グレスケです」
- 「彼をどうする?」
「ドライマンのことですか? おそらく・・・」
「おそらく?」
「見かけほどクリーンではありません」
「フフンッ、グルビッツ。我々の地位なら何でも出来るぞ。国家に忠誠を誓うシュタージのエリートだしな。未来を見すえている。君は頂点を目指す男だ。まあ、確かにドライマンはうさん臭いな。来週、彼が開くパーティーに怪しい連中が集まるらしい。パウル・ハウザーもだ。ドライマンの家に盗聴器を仕掛けろ。A装置とB装置だ。ばれないように用心してかかれ。証拠をつかむまで絶対に秘密にしろ。収穫があれば、中央委員会に働きかける。いいな」
「ヘムプフ大臣、よい夜を」
- 「初日に着飾って来る連中には我慢ならんね。虚飾の豚だ。私らしくない発言かな。これが現実の私だよ。昔のイェルスカではない。昔は友好的で成功に包まれていたよ。すべてはお偉方どものお陰だよ。愚痴はよそう。生まれ変わったら、思ったままに自由に書ける幸せな劇作家になりたいね。君のように。今は仕事を禁じられた哀れな演出家だよ。フィルムの無い映写技師、穀物の無い水車小屋と同じさ。どうにもならん」
- 「レーニンはベートーヴェンの"熱情ソナタ"を批判していたそうだ。これを聴くと革命が達成できない。この曲を聴いた者は、本気で聴いた者は、悪人にはなれない」
- 「二つの事を恐れてきた。孤独と書けなくなる事。だけど、どうでもいい。他人のことも。君を失うのが怖い」
「心配しないで。 数時間出掛けるわ」
「どこに?」
「昔の級友に会うのよ」
「本当に?」
ストーリー †
- 舞台は冷戦時代の東ドイツ。国家保安省のヴィースラーは反体制分子を見分ける凄腕の局員であった。ヴィースラーは上官より、劇作家のドライマンと恋人のクリスタについて、反体制的である証拠を秘密裏につかむように指令を受けた。ドライマンの自宅に盗聴器をしかけ、ヴィースラーはドライマンの世界を観察する事になる。
見所 †
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- ヴィースラー大尉(男):ウルリッヒ・ミューエ
- ゲオルク・ドライマン(男):セバスチャン・コッホ
- クリスタ・マリア・ジーラント(女):マルティナ・ゲデック
- 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
- 公開年:2007年
- 製作国:ドイツ映画
5点満点とするとあなたの評価は?
|