恋愛
風と共に去りぬ †
ジャンル:恋愛もの †
名セリフ †
- 騎士道が花咲き、綿畑の広がるその土地を、人は"古きよき南部"と呼んだ。その美しい世界にかつて生きた、雄々しい男たち あでやかな女たち そして奴隷を従えた支配者たちも、今ではすべて夢− 人の心にのみ残る− 風と共に去った時代である
- 「つかまって息を吸って!」
「お食事を持ってきましたよ」
「いらないわ。持ってって」
「食べなくては。軽い食事ぐらいはね」
「イヤだったら! 早くドレスを着せて」
「どれを?」
「それよ」
「昼間は胸を出しちゃなんないんですよ。・・・ ではお母様に」
「言いつけたら食べないから!」
「わかったですよ。 肩掛けは外さないように。またソバカスが出ますよ。 約束ですよ、少しは食べて下さいね」
「イヤよ! 胸がいっぱいなの。それに食事はあちらでするんだから」
「世間体を考えてください!人様の前では小鳥のように食べるのが淑女ですよ!パクついては評判が落ちますよ!」
「アシュレーは健康な食欲は魅力だって言ってたわ」
「殿方の口と腹は別物ですよ!お嬢様に求婚されたのです?・・・ 急いで食べて詰め込むと逆戻りしますよ!」
「女って損だわね」
「スカーレット! 十数えるうちに来ないと置いていくぞ!」
「今行くわ! コルセットのせいで胸が苦しいわ」
- 「ねえ、あれは誰?」
「こちらを見てる人。いやらしいわ」
「レッド・バトラーよ。評判のよくない人だわ」
「あの目つきったら、私を裸にしているみたい」
「あの人、身内からもつまはじきにされて北部で暮らしてたのよ。士官学校も退学処分だし、女を捨てた一件でも有名よ」
「教えて!」
「日暮れに娘と二人きりで馬車で出かけておきながら、結婚を断ったのよ。・・・・・・ いいえ、どのみち傷物ってわけ」
- 「幸せかい?」
「とても」
「君は初めからここの人のようだ」
「あなたの好きなものは私も好きよ」
「ここを愛してくれる?」
「もちろん! ここは私にとって優雅で美しいわ。あこがれの世界だわ」
「今が永遠に続けばよいが」
「戦争を心配なさってるのね。大丈夫。二人の世界には戦争も入り込めないわ。何が起ころうとあなたを愛し続けます。死ぬまで」
- 「戦争か?」
「なぜそこで黙ってらしたの?」
「美しいラブシーンを邪魔するのも不粋だ。大丈夫、秘密は守る」
「紳士じゃないわね」
「あなたも淑女じゃないな。そこが魅力だ。淑女は面白味がない」
「私を侮辱する気なの?」
「ほめてるんだ。私と合いそうだ。アシュレー君よりね。弱虫には過ぎた女さ。何せ"燃える情熱"だ」
「少なくとも彼は紳士だわ!」
「ハッハッハッ、大嫌いなっはずだったろ?」
- 「どうしたの?」
「馬を休ませよう。どう?」
「気絶なさってます」
「今の場合はそのほうが楽だ。まだ強行軍を続ける気か?」
「きっとやり通せるわ」
「ではやるんだな。おれは降りる」
「どこへ行くの?」
「軍隊に志願する」
「また冗談を!脅かさないで」
「本気だ。栄誉ある南軍に入れてもらうさ」
「もう負けたのよ」
「まだ最後の決戦があるはずだ。遅まきながら手伝いたい」
「うそつき!」
「自分勝手を押し通す君には大義など意味ないな」
「こんな仕打ちはひどいわ!なぜ今になって行くの?」
「弱い者に味方したくなる癖があってね。罪滅ぼしか・・・ 分からん」
「かよわい女をほうり出すの?」
「かよわい?ハッハッハッ 君に出会う北軍こそ災難だ。降りて別れのあいさつを」
「行かないで! 行ったら許さないから!」
「我ながらこんな行為は愚かと思うよ。弾丸に当たったらそれは天罰だ。だが、君への愛は本物だ。世界が砕けようとこの愛は変わらない。おれたちは似ている。利己的だが自分を主張する強さを持っている」
「放してよ!」
「おれを見ろ。こんなに女を愛したのは初めてだ。こんなに我慢強く待ったのもだ」
「やめて!」
「この南軍の一兵士を抱いてくれ。キスで戦場に送ってくれ。死にゆく男にせめて美しい思い出を。スカーレット、キスを」
「下劣な男ね!うわさ通りだわ、あなたは紳士じゃない!」
「紳士じゃなくて結構。馬泥棒はこれで。誤って馬を撃つなよ」
「さっさと行って!弾丸に当たって吹っ飛べばいいわ!」
「希望に添うようにしよう。死んだら少しは悲しんでくれよな」
- 「神様、お聞き下さい!この試練に私は負けません!家族に二度とひもじい思いはさせません!生き抜いてみせます!たとえ盗みをし人を殺してでも! 神様、誓います!二度と飢えに泣きません!」
- 「私は人殺しね。考えるのは明日にするわ」
- 「リンカーンもまき割から始めた。僕にもできるさ」
「税金が300ドルになるらしいの。私たち一体どうなるの?」
「文明が滅びる時人々はどうなるか?勇気のある者は生き残り、ない者は消え去るよ」
「哲学を語っている場合じゃないわ。消えるのは私たちよ」
「タラが危機に瀕しているのに空論しか語れない。ぼくは何一つ援助できない。僕は臆病者だ」
「臆病者?何が怖いの?」
「人生が現実として迫ってきた。まき割りは苦にならないが、過去の美しかった日々がもう戻らないと思うとね。戦争さえなければ静かな人生が送れたろう。だが戦争は起こり、多くの友人は飛び散り僕も冷酷に敵を殺した。僕は今、生き地獄をさまよい、孤独にうめいている。君は恐怖を抱いたことなどないだろう。現実に挑み、僕のように逃げたりしない」
「逃げない? 違うわ私も逃げたい。もう疲れ果てたわ。耕したり綿を摘んだりはもうたくさん!南部は死んだのよ。すべてを北部に奪われてしまったわ! アシュレー、メキシコへ逃げましょう。そして二人で暮らすのよ。あなたのためなら何でもするわ。あなたが愛してるのは私だって言ったでしょう?それにメラニーはもう子供を産めないのよ」
「昔のことは忘れるんだ」
「忘れられないわ。あなたも私を愛してるのに」
「愛していない」
「うそよ!」
「メラニーと子供を捨てられると思うか!君は父上や妹を捨てられるか?」
「できるわ!あなたのためなら・・・」
「君の心境はよく分かる。一人で家族を支えてきた。今後は僕も手伝うよ」
「それより連れて逃げて!誰にも遠慮はいらないわ!」
「そうか・・・ 誇りはどうなる?・・・ スカーレット、お願いだ。泣くのはやめて。泣きやんで元気を出して」
「私を愛しているくせに・・・そう言って!」
「いけない、僕は家族を連れてタラを出る」
「愛していると言って!」
「僕は君の勇気を愛している。だからもう少しで妻や子を忘れそうだった。僕には妻子がいるんだ!」
「じゃあ・・・ 私はもう終わりよ。 戦う目的も生きる望みもないわ」
「いや、あるとも。僕より愛しているものが君にはある。 タラだ」
「そうだったわ。行かないで。恨んでひもじい思いをさせたりしないから。二度と取り乱さないわ」
- 「お前なしでは生きていけん」
「こんな時にそんな破廉恥な・・・」
「オークス屋敷で出会った時にこの人だと決めたんだ。だがおれの金が必要ないから君から会いには来ない。だから結婚するしかない」
「何て悪趣味な人!」
「ひざまずいてすがろうか?」
「汚らわしい!帰って!」
「事を急ぎすぎて大事な方を仰天させたかな?あなたに抱いていた友情が愛情へと変わって参りました。美しく純粋で神々しく、これぞ真の愛ならん」
「下品な冗談は聞きたくないわ!」
「これは名誉ある求婚だ。今こそチャンスだ。亭主が死ぬのを待つのはもう飽きた」
「下品なうぬぼれ屋ね!何も聞きたくないわ。もう結婚なんてしないわ」
「いや、おれとするんだ」
「愛してもないあなたと?結婚生活はもうイヤ」
「遊びのつもりでどうだ?」
「遊び?男はそうでしょうけど。外に聞こえるわ」
「これまでの相手は役不足だった。本物を試してみろよ」
「バカな人ね、あなたなんか愛せないわ」
「つまらん意地を張るな。聞きたくない」
「気絶しそう・・・」
「して当然だ。こんなキスをした男がいたか?チャールズやフランクやアシュレーとは違うぞ。・・・ 結婚すると言え」
「するわ」
「本当か?取り消さないか?」
「いいえ」
「おれを見て正直に答えろ。金が目当てか?」
「まあ、それもあるけど・・・」
「けど何だ?」
「あなたが嫌いじゃないし」
「嫌いじゃない?」
「思い焦がれていると言えばうそになるわ。私たちは似てるし・・・」
「似た者同士だ。おれだって命がけで愛してるとは言わん。どんな指輪がいい?」
「ダイヤがいいわ!大きいの」
「アトランタで一番大きいのを買おう。新婚旅行は派手にニューオリンズだ」
「まあ、楽しみ!」
「花嫁衣装も新調しよう」
「まあうれしい!でもそれは内緒よ」
「見栄を張るな」
「さよならのキスは?」
「本日の分は終わりだ」
「意地悪ね。もう来なくていいわ」
「参りますとも」
- 「別れるなんてイヤ!どうしたら戻ってくれるの?考えつかないわ、頭が変になりそう。明日考えるわ」
- 「タラ! 故郷よ・・・ 彼を連れ戻す方法は故郷に帰って考えるわ! 明日に望みを託して」
ストーリー †
- 舞台は19世紀のアメリカ。主人公は南部のジョージア州タラの気性の激しい女性スカーレット・オハラ。
スカーレットは失恋した矢先、同じような気質の男レット・バトラーに出会う。レット・バトラーはスカーレットに惚れるがスカーレットは拒否をする。やがて、南北戦争が激化しスカーレットの家族たちは翻弄されていく。
見所 †
- 現実に翻弄される愛
激動の時代の中力強く生き抜いていく人々の姿
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- スカーレット・オハラ(女):ビビアン・リー
- レット・バトラー(男):クラーク・ゲイブル
- メラニー・ハミルトン(女):オリビア・デ・ハヴィランド
- アシュレー・ウィルクス(男):レスリー・ハワード
- 監督:ヴィクター・フレミング
- 公開年:1939年
- 製作国:アメリカ映画
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