サスペンス
天国と地獄 †
名セリフ †
- 「誘拐事件てのは全く困りもんでしてね。犯人は人質という切り札を持ってるんです。今も刑事部長からこう言われて来ました。"犯人は挙げなくてもいい、子供さんを無事に助け出す以外のことは考えるな"。それに今度の場合、特に慎重を要します。今までの例では要求してきた身代金の最高は200万。ほとんどが20から30万どまりです。3千万というのは全く桁外れです。まあその点から考えても、犯人は途方もない奴らしい。精神異常者かもしれません」
- 「人が汗水たらして貯めた金をゆすりとるならまだいい。ただドブへ捨てろと言う。そしてそれを見物してゲラゲラ笑おうと言うんだ。私ははっきり言う。そんなマネはしない。金は出さん!」
- 「もしもし権藤だ」
「権藤さん まさか小細工やってるんじゃあるまいな」
「何のことだ」
「昼日中にカーテンを閉め切って何やってんだ。今までこんなことなかったぜ」
「そこから見えるのか?」
「よく見えるさ。どっからだって見えるよ。丘の上にお高く構えやがって。今日はこっちはうだってるんだ。ここはそれこそ地獄の釜の中さ。不快指数100。でもそっちは冷暖房完備。涼しすぎるくらいだろう。窓を閉めているのは分かる。しかしカーテンまで閉め切ってるってのはどういう訳だ?何をしてるんだ」
「別に何も」
「ふん別に何もか。何か企んでる奴は決まってそう言うからね、権藤さん」
「じゃ、何でもない証拠にカーテンを開けてみせる!」
「よし、見えた。奥さんと運転手、あんたを入れてそこにいるのは3人だけだな」
「そうだ」
「じゃあ話を進めよう」
ストーリー †
- 靴メーカーのナショナル・シューズの権藤専務の所に誘拐犯人からの電話がかかってくる。自分の息子と間違えられ、運転手の息子が誘拐されていた。身代金3千万円を要求される。3千万円の大金は権藤専務の全財産に相当し、近日中に会社内の主導権争いで必要な金であった。
見所 †
- 自分の社会的立場と人命の選択の苦悩
- 警察の執念ある行動
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- 権藤金吾(男):三船敏郎
- 戸倉警部(男):仲代達矢
- 権藤伶子(女):香川京子
- 竹内銀次郎(男):山崎努
- 秘書・河西(男):三橋達也
- 荒井刑事(男):木村功
- 捜査本部長(男):志村喬
- 捜査一課長(男):藤田進
- 監督:黒澤明
- 公開年:1963年
- 製作国:日本映画
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