ドラマ
山椒大夫 †
ジャンル:ドラマ †
名セリフ †
- 「厨子王、危ないですよ」
「はーい!」
「母様」
「なんです」
「お父様は、筑紫のような所へ、どうしてに行っておしまいになったんです? お父様は、偉いお方でしょ?」
「そうですとも。正しい、立派なお方ですよ」
「やっぱりそうだ! お父様! お父様!」
- 「幼いお前には、聞かせても無理かもしれん。よく聞いてくれ。人は、慈悲の心を失なっては、人でない」
「はい!」
「己を責めても、人には情けをかけよ。人は、等しくこの世に生まれて来たのだ。幸せに隔てがあってよいはずがない」
「はい!」
「家に伝わる、如意輪観音。父の心はこれだと思え。これはわしの形見だ。肌身離さず持っているのだ。よいか」
「はい!」
「父が今言うた言葉を言ってみよ」
「人は、慈悲の心を失のうては人でない。 己を責めても、人には情けをかけよ」
- 「お金が欲しいならみんなあげます! 後生ですから船を戻してください! お願いします!」
- 厨子王恋しや 安寿恋しや つらやのう
「ちょいと、それは何の歌?」
「はい」
「もう一度、何ていうの?」
「厨子王恋しや、安寿恋しやっていうんです」
「それは誰に習ったの?」
「ひと頃、佐渡で流行ったんです」
「そんな悲しい歌を、誰が歌い出したの?」
「遊女だそうです」
「遊女?」
「ええ、中君(なかぎみ)という」
「それで、その人は今でも達者でいるの?」
「さあ、わかりません」
「厨子王恋しや、つらやのう 安寿恋しや、つらやのう っていうんだね」
「ええ」
「もう一度歌ってみて」
「はい」
ストーリー †
- 舞台は平安時代末期。旅の母子連れは、道中で人買いに騙されて引き離された。子供の安寿と厨子王は、豪族の山椒大夫の荘園で奴隷として売られた。安寿と厨子王は名前を替え、苦労をしながら約十年を生き抜いた。ある時、安寿と厨子王は、別れた母が生きていることを偶然に知った。
見所 †
キャスト・スタッフ・公開年 †
- 出演:
- 安寿(女):香川京子
- 厨子王(男):花柳喜章
- 玉木(女):田中絹代
- 平正氏(男):清水将夫
- 山椒大夫(男):進藤英太郎
- 監督:溝口健二
- 公開年:1954年
- 製作国:日本映画
5点満点とするとあなたの評価は?
|